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2006.11.30 (Thu)

ヒストリアン1・2

エリザベス・コストヴァ/日本放送出版協会
主人公に届けられる、竜の挿絵が印刷された古い本。
さまざまな冒険を経て成人した主人公が、16歳の少女時代の体験と父親の手紙、資料を基にして書き上げた体験談という設定。

読み進めていくうちに、見え隠れする吸血鬼の影。次々と移り変わる舞台。

冷戦時代のヨーロッパのさまざまな都市を駆け抜ける主人公の少女、若い頃の父、父親の恩師。物語が進んでゆくうちに少女の母親や、その母親の父、先祖が明らかになってゆく。
物語自体はホラーと歴史物、どちらにしても少し中途半端な気もするが、ヨーロッパの歴史にうとい私には新鮮だった。あまりよく知らない国の冷戦時代の描写も興味深い。
本の描写はかなり細かく、図書館の特別室で、古い希少書、未整理の古い本が無造作に積み上げられた書斎などたまらないシチュエーションが続々登場。
物語中に登場する本は実在・架空問わず魅力的なタイトルで、思わずリストを作ってしまった。
いぶし銀のような魅力の本だった…。
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2006.10.17 (Tue)

夢の樹が接げたなら

森岡 浩之/早川書房
ブログの記念すべき第1冊目はこの本。かなりお気に入りで、海外にワーホリした時も、持って行った。文庫本には8編の作品が収録。一番のお気に入りはタイトルにもなっている『夢の樹が接げたなら』。

舞台は近未来。人々は脳に直接さまざまな言語を焼きこむ。主人公は人工言語のデザイナー。恋人の弟が人工言語の試験移植を受けておかしくなったという話から物語は動き出す。

話の中心となっている人工言語『ユメキ』はすごい。主人公の言葉を借りると『新しい目でも生えたんじゃないかって気になってくる』。 確かに想像するればするほどすごい言語だ。
この第1話が大好きで何度も何度も読み返しては、こんな時代が来たら、英語だろうがヘブライ語だろうが、全ての言語の本をその言葉のニュアンスを崩さずに読めるのになあとウットリしてみたり、ユメキで考える空間を想像してみたり。


他の著作『星界の紋章』シリーズも言語にかなり重点を置いている。
人類とは異なる人種が使う、独特の言い回し。ロード・オブ・ザ・リングのエルフ語のように発音まできっちりと作られた言語。

今のところ作品は少なく、また増えていないが次の作品を心待ちにしている作家の一人。
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